【危険性】後悔しないために知りたいICLのデメリット【緑内障・白内障リスクも紹介】

ICL手術は、近視・遠視・乱視治療ができる視力回復手術です。目に眼内コンタクトレンズを入れるインプラント手術で、角膜を削らないのが特徴です。適用範囲が広く、レーシック手術が受けられない人でもICL手術なら受けられる場合もあり、視力回復手術として人気があります。

また、レンズを永久的に目の中に入れておけるため、交換や再手術をしなくても回復後の視力を維持できます。角膜を削らない手術方法ですので、万が一の場合にはレンズを取り除き、元に戻せます。しかし元に戻せるからといって安易に手術を受けることはおすすめしません。

メリットが多いように見えるICL手術ですが、もちろんデメリットや危険性も存在します。ここでは、ICL手術のメリットデメリット、危険性やリスク、ICL手術が受けられるクリニックなどを紹介します。

ICL手術は、適応する視力の範囲が広いのが特徴です。クリニックによって差額は出てきますが、保険外診療のため費用は高額ですが、永久的に挿入できます。万が一の場合には、レンズを取り除き元の状態に戻せます。

ICL手術は、角膜の切開・レンズの挿入・固定など、執刀医が直接手で行う工程が多くあります。そのため、執刀医の技術によって手術の結果や快適に手術が終わるかどうかが、大きく変わってきます。

ICL手術により、ハログレアが起こる場合があります。ハログレアとはハロ、グレアのそれぞれの症状が起こる状態です。ハロは、暗いところで光がにじんで光の周りに輪っか状にモヤがかかる状態を指します。グレアは、夜・昼問わず光がギラギラ眩しく見える状態です。

とくに手術後2～3日ほどは、夜間の外灯などがギラギラ眩しく見えて、不安になるかもしれません。症状の強さや期間には個人差がありますが、大抵は一時的なものでほとんどの場合は数ヶ月以内で治ります。

ICL手術の術前検査やカウンセリングで、レンズの度数をしっかり時間をかけて決めます。しかし、場合によっては度数が合わない可能性もあります。レンズの度が強くて合わない遠視のような状態である過矯正や、反対に度が弱くて合わない、近視が残っている状態の低矯正の場合です。

万が一、度数が合わない時はレンズ交換が必要になる場合があります。医師に相談し今後の対応を考えていくようにしましょう。

ICL手術後の出血や炎症により、眼圧が一時的に上昇する場合もあります。ICL手術が原因の眼圧上昇は、ほとんどの場合は自然に下がっていきますが、下がらない時には点眼・内服・点滴での治療が行われます。

長い期間、眼圧が高い状態が続いてしまうと緑内障になってしまうリスクがあります。眼圧がなかなか下がらない場合、最悪レンズを取り出す必要があります。

加齢などによっても角膜内皮細胞は減少しますが、目の手術によっても減少する可能性があります。ICL手術では、極端な角膜内皮細胞の減少は起こらないと考えられます。しかし、角膜内皮細胞は極端に減少してしまうと角膜が濁り、視覚障害を引き起こす可能性が出てきます。

術後の炎症により、充血・痛み・かゆみ・腫れ・流涙が起きる場合もあります。術後の炎症が長引きすぎてしまうのもリスクになります。点眼薬と場合によっては内服薬で改善しますが、最悪の場合レンズを取り出す可能性もあります。

手術後の傷口から感染症を起こす可能性も、非常にまれですがあります。傷口が塞がる前に目をこすったり、水が入ったりしてしまうと発症する場合があります。感染症を起こすと、手術の治りが遅くなってしまい、目の痛み・まぶたの腫れ・眼の中のゴロゴロ感などの症状に繋がります。

万が一、このような症状が続いた時には手術を受けた病院を受診しましょう。また、術後の過ごし方は、医師からの指示をきちんと守るのが重要です。定期健診もしっかり受けるのを忘れないようにしましょう。

ICLのデメリットをメリットと見比べてみましょう。ICLのメリットが自分にとって魅力的であるのか、またデメリットについてもきちんと理解しているかが、ICL手術を受けるうえでの大事なチェックポイントと言えます。

また、ICLができるかどうかについても下記の記事で合わせてチェックしておいてください。

ICLは認定医資格がないと手術できません。認定医(インストラクター)には、3つのランクがあります。上からICLエキスパートインストラクター、ICLインストラクター、ICL認定医です。2022年10月時点で、ICLエキスパートインストラクターを持つ眼科医は、10名となっています。

ICL手術は、執刀医の技術が大きく影響する手術です。ICL認定医かどうかは公式サイトに記載されている場合が多くありますので、クリニックのHPなどでしっかりとチェックしましょう。

現在の日本の法律では、極端な話をすると大学を卒業したばかりの人でも、免許があれば診療所を出せてしまいます。治療機器や技術の進歩あってこそ、それを可能にしています。しかし、経験が少ないと問題が起きてしまったときに、適切に対処できない可能性があります。

できるだけ症例数・実績が豊富な医師に手術をしてもらうほうが、安心感があります。事前にクリニックのHPなどで症例数・実績が豊富かどうかしっかりと確認しておきましょう。

手術前の説明・検査が充実しているかどうかも、後悔しないためのクリニック選びのコツです。適用検査の充実はもちろん、ICL手術のメリットデメリット・費用・後遺症・リスクを分かりやすく説明してくれるクリニックを探しましょう。

クリニックからの説明がしっかりとしているだけではなく、こちらの質問にもきちんと答えてくれるかどうかも重要です。不安な点を無くして、安心して手術に臨めるように準備しましょう。

ICL手術は受けて終わりではなく、術後のケアも大切です。病院によっては手術費用の中にアフターケアの料金が含まれている場合もあります。手術後の経過観察は手術翌日、3日後、1週間後、1か月後、3か月後、6か月後と少しずつ間隔があいてきます。

また、ICLは再手術保証が3年間ついています。保証期間中であれば、近視が進行して視力が低下した場合でも、追加費用なしで再手術が行えます。

ICL手術は自由診療となり保険が適用されません。そのため治療費はクリニックが自由に決められるため費用にもばらつきがあります。また、ICL手術はレーシックよりも費用が高額です。手術費用が高ければいい・安ければ悪いわけではありませんが、自分に無理のない範囲で費用も考えていきましょう。

手術直後はICLもレーシックも手元や近くが見えにくくなります。そのため、病院で用意されたリクライニングソファやベッドで1時間ほど休憩します。個人差はありますが、数日で視力は回復して見え方も安定してきます。

翌日には視力が落ち着き始めますが、念のためにICL・レーシック手術の翌日は予定を空けておくのがおすすめです。

ICL・レーシック手術前の検査では、眼圧測定・角膜形状解析・角膜内皮検査・角膜厚測定・眼底検査など10種類ほどの検査をおこないます。内容やかかる時間はクリニックによって異なりますが、それぞれの項目を合計で約2、3時間程度かけて検査します。

ICLやレーシックの手術自体は失明に関わる部位の手術ではないため失明するリスクはほとんどありません。しかし目はとてもデリケートな器官です。非常にまれではありますが、適切な処置が行われなかった際に感染症を引き起こすと失明の可能性もゼロとは言い切れないのです。

また、手術はほかの外科的治療と同じように絶対に成功するとは言い切れません。ICLの手術は認定医しかできないことからもわかるように医師の技術を必要とします。ICL手術を受けるときは、医師からしっかりとリスクに関する説明を受けて、納得して受けるようにしましょう。

ICL手術で白内障・緑内障になるといった噂もありますが、どちらも基本的には関係ありません。白内障は、加齢によって誰でもなり得る病気です。緑内障もICL手術を受けたかどうかは基本的に関係ありません。

術後の眼圧上昇も気になるところですが、適切な治療を受ければ問題ありません。新しい疾患に早く気づき治療するためにも、術後は検診を怠らないのが重要です。    

老眼は老化によって誰でもなり得る症状ですので、ICL手術を受けたかどうかは関係ありません。老眼になる時期は人によ可能なのかすが、ICL手術の影響で老眼になる時期が早くなったり、老眼が進んだりはしません。

ただし、強い近視の人は手元にピントが合う状態に慣れています。ICL手術によって矯正されるとピントが合う位置が変わります。それによって、手元の見づらさに通常よりも早く違和感を覚える可能性はあります。

また「老眼でもICL手術が可能なのか？」といったことをまとめた以下の記事もあります。気になる方はぜひ合わせてチェックしてみてください。